ご案内

アメリカの大学院を卒業しシリコン・バレーで複数のアメリカ企業(HP, eBay, Ariba, Amazon)に勤めたMasaが、仕事に使う道具としての英語の習得法を解説しています。英語はスポーツと同じで練習すれば誰でも上手になります。効果的な練習方法を知りたい人は、キンドル本になった「知って得する英語練習法」を読むか、ITエンジニア向けに作った無料アプリ「IT英語」を読むか、あるいはアップルBooksにある無料の「IT英語」を読みましょう。英語は翻訳せずに使います。効果的な練習をすれば、日本語ができる人は必ず英語もできるようになります。Masaはかつてシリコン・バレーでITエンジニアとして働きながら、英語で英語を教えるアメリカの教育者向けトレーニング(TEFL 80H)も受講し修了しています。英語でさんざん苦労したMasaは、英語で苦労した事がないネイティブとは教え方が違います。入試勉強で学んだ文法と単語と発音のみでは英語を話せるようにはなりません。大事なのは英語表現をカタマリとして覚えることです。

新しい生徒さんに最初にお伝えする大事な事は次の三点です。
1. 言葉は音が基本。読み書きは会話の後で。

2. 練習は視る、聴く、話すの順で。
3. 聴く能力と話す能力は別。

会話ができるようになるためには、ひたすら会話の練習をします。知らない単語や表現は聞き取れないので、知っている単語や表現を増やすために、英語の動画と字幕を使います。同時にシャドウ・スピーキングを使って、話す練習をします。思った事を自然に英語で口から出すのが目標です。日本語から英語に翻訳はしません。英語のまま理解し、理解した事を英語のまま話します。

初級者が英会話で「できる」水準に到達するには1000時間の練習が必要です。毎日11時間英語を使う究極の状況なら3ヵ月かかります。そこで英語国に留学するなら、最低3ヵ月は滞在しないといけません。もし毎日3時間英語を使うなら1年かかります。英語学校に通っても、宿題なしで毎週1時間という遅いペースだと20年かかります。英語を学ぶには練習に費やす時間数が大切で、毎日1時間使っても3年はかかります。Masaのレッスンでは英語の映画を使ってシャドウ・スピーキングの宿題を出します。この宿題で練習時間数を稼ぎます。宿題で聴く練習はできるので、生徒さんとお会いする時は話す練習が中心になります。Masaが映画について英語で質問を出し、生徒さんがそれに英語で答えるという方法です。(中上級者にはさらに英語のニュースやTED Talksも視聴してもらい、それについて質問します。)

宿題では同じ映画を3回英語音声で視ます。最初は英語字幕を出して、知らない単語があればそのつど映画を止めて辞書を引き、単語の意味を日本語で理解します。これで字幕の意味が分かるので、2回目は英語字幕を視ながら英語のセリフを英語で繰り返すシャドウ・スピーキングを練習します。これで意味と音が結びつきます。3回目は英語字幕を消して、再度シャドウ・スピーキングを練習します。聞こえた英語のセリフをなるべくそっくりに口から出すためには、ヘッドフォンやイヤフォンが便利です。俳優のセリフを自分の口でモノマネできれば、シャドウ・スピーキングは完了です。すべてのセリフが真似できなくても、8割ぐらいのセリフが真似できれば十分です。この練習で本番に使える英語表現の数を増やします。なお映画は最初から最後まで視るのに時間がかかるので、映画のチャプターごとに3回ずつ練習してもかまいません。

宿題以外で生徒さんにお願いしているのは、独り言を英語で言う練習です。音として口に出さなくても、頭の中で英語で言うだけで良い練習になります。初級者はまだ知っている英語表現の数が少ないので、なかなか言いたい事を英語で表現できません。ぴったりする表現を知らない場合、それに近い表現を頭の中から探してみましょう。独り言なので他に聞いている人はいません。単語ひとつだけでも独り言になるので、ムカつく(disgusting)とか、冗談じゃない(no kidding)、勘弁してくれ(give me a break)といった、よく映画にも出てくる表現を普段から独り言として練習しておけば、いざという時に思わず口から英語が出てきます。

Frequently Asked Questions (FAQ)
1. 英語の映画を練習に使うのはなぜ?
映像と言葉の音を組み合わせる事で、状況に応じた言葉の意味がよく分かり、いっそう覚えやすくなるからです。それに映画なら内容も面白いので、教材がつまらなくて挫折という心配がありません。映像があれば身振り手振りも覚えられるので、身体言語の多い英語の練習には最適です。初級者は子供用のアニメ映画から始めます。Masaもアニメ映画が大好きでよく視ます。

2. 初級者、中級者、上級者の間でレッスンの何が違うの?
使う映画が子供向きから中学高校生向き、さらに大人向きになる事と、教材として動画だけでなくポッドキャストや英字新聞を使うようになる事、それに会話中心から会話と読み書きが半々になる事です。会話の速さは最初から普通の速さです。使う単語の数が初級者は少なく、上級者は多いというのが大きな違いです。上級者のレッスンには電話での会話、会議での発言、発表(TED Talks)なども加わります。目安としては、TOEIC 730点までが初級者、860点までが中級者で、それを超えると上級者です。

3. 家で英語の動画で練習するなら、レッスンは要らない?
英語動画を使ったシャドウ・スピーキングで英語を聴く練習は家でできます。でも思った事を英語で話す練習はひとりではできません。レッスンでは生徒さんにたくさん英語を話してもらうために、視た映画について話します。それだけでなく、過去一週間で何をしたかも話していただきます。自分から話題を提供するという能動的な練習をするためです。映画で使われた表現を覚えるテストもします。宿題を通じて得た疑問にもレッスンの中でお答えします。生徒さんは日本語で質問できます。

4. 英語の読み書きの前に会話を練習するのはどうして?
これが実は日本の英語教育の最大の欠点です。英文を読む事は英文和訳とは異なり、文を英語のまま順に理解するという行為です。英語はアルファベットという表音文字で書かれているので、文字に意味はありません。英文を頭の中で音読してその英語を聴いて、先頭から順に理解するという作業が英文を読むという行為です。つまり英語を聴く能力がないと、英文を読む事はできません。英語のまま理解した文を覚えておいて、後でそれを使って英文を書くので、まず会話を先に練習します。日本の英語の先生は日本語で英語を教えるので、翻訳中心の授業をします。でも翻訳は会話とは違う技術なので、こうした授業では英文を読む練習にはなりません。英文を英語のまま順に理解できないと、TOEICやTOEFLの点数も上がりません。

5. 文法の知識は会話に必要?
会話に必要な文法は語順と時制と仮定法です。これは英語動画で表現を覚えると自然に身に付きます。日本語でも同じで、ふだん文法を意識しながら言葉を話す人はいません。状況に応じた英語表現をカタマリとして覚えるので、意識しなくても「文法的に正しい」会話ができるようになります。中学で習った語順と時制と仮定法だけ理解していれば十分で、レッスンの中でも再度説明します。

6. 発音を練習するにはどうしたらいい?
シャドウ・スピーキングで俳優のセリフをモノマネします。同じ音に聞こえるようになるまで、何度も口の形や舌の位置を調節します。でも一番大切なのは単語に正しい強弱アクセントを付ける事で、アクセントさえあれば英語に聞こえます。日本語では抑揚が大事で、英語ではアクセントが大事です。iOS版「IT英語」アプリに発音テストがあるので、これを使うと自分の発音の弱点が分かります。

7. レッスンは何回受ければいい?
これは生徒さんのゴールによります。英語動画を使った宿題のやり方はすぐ分かるので、2回のレッスンで満足する人もいれば、3ヵ月と期間を決めて始める人もいます。毎週1回のレッスンが標準なので、3ヵ月なら12回です。なるべく短期間に集中して練習する方が効率が良いため、長くても1年で区切りを付けるようにしています。レッスンの回数よりも毎日何時間を宿題に使えるかが大切です。毎日1時間を英語の練習に使える人は、毎日30分練習する人の倍の速さでゴールに到達します。

8. 練習時間を増やすには?
夜寝るときや朝起きるときにAFNを聞くと効果的です。通勤・通学の時間も英語の練習をします。辞書を引いた単語の意味と発音を覚えたり、これは使えると思う表現を覚えるのは家にいなくてもできます。日本語のテレビを視る時間を減らして、そのかわりNHKの海外向け英語放送をネットで視聴します。BBCの英語放送もネットで聞けるので、運動しながら、あるいは料理しながらでも聞いて英語に慣れます。中級になると英語のポッドキャストも使うので、これなら歩きながらでもシャドウ・スピーキングができます。ただし、車の運転中は運転に集中するために英語の練習はしません。

9. 英語の世間話はなぜ難しい?
仕事の会話よりも世間話が難しいのは、話題がころころ変わるからです。そのため色々な分野の単語を知らないと会話になりません。仕事の会話なら使う単語も限られており、よく知っている分野なので話題も豊富です。ところが大人の世間話となると、こうした縛りがないので語彙力が試されます。経済の話、政治の話、芸術の話、科学の話、音楽の話、食事の話、洋服の話、教育の話など英語のニュースを普段から聞いていないと知らない単語や表現が出てきます。地球温暖化について自分の意見を言ったり、消費税の使い道について自分の考えを英語で言えますか。こういう場合は自分から得意分野の話題を出して、会話をコントロールするという技術も必要です。例えば最近開店したレストランに行った話は食いつきの良い話題です。オチがある失敗談も人気があります。逆に自分の自慢話は避けましょう。

10. 本を読めば英会話は上手くなる?
もちろんなりません。英会話はスポーツと同じで、練習しないとうまくなりません。泳ぎを学ぶには水の中で体を動かします。自転車に乗るには何度も転んでバランスの取り方を覚えます。英会話を学ぶにはたくさん英語を聴いて話します。それには英語の映画を視てシャドウ・スピーキングをするのが一番です。よく使う英語表現を宿題を通じて頭に入れたら、次にそれを使って自分より上手い人と英会話を練習しましょう。

11. 子供に英語を教えるにはどうすればいい?
子供には英語を学ぶ動機がないので、親がお手本を見せて一緒に学ぶのが一番です。それに子供だけ英語を学んでも使わないとすぐ忘れるので、英語を話す友達をどこかで見つける必要があります。親が子供と英語で毎日会話する時間を設けるのも良い練習になるので、ここでも英語の子供用アニメ映画が役立ちます。もしお金があれば、毎年夏休みに1ヵ月ぐらい外国に行き現地の子供と現地語で遊ぶと、子供はすぐ上達します。

12. ビジネス英語を学ぶには
日本語には特有のビジネス表現があり、新人は研修やOJTで学びます。電話の取り方やメールの書き方、会議での発言の仕方などが含まれます。英語にもビジネス表現があり、インターンや新人がOJTで学びます。ただし英語には敬語がないので、普段の会話とビジネスの会話に大きな差はありません。英語のビジネス表現を学ぶにはビジネス場面の多い英語の映画が役立ちます。中級から上級に相当する生徒さんが学ぶ英語です。ビジネスで使うメールの文例はたくさんインターネット上で見つかるので、「business mail example」で検索します。ただし見つかるページは英語なので初級者には向きません。ビジネス英語を学ぶには中級者に相当する実力が必要です。電話の取り方はコーチと組んで練習します。

2015年4月29日水曜日

英語で英語表現を教える

文科省は日本の高校生の英語の出来が悪いと言っています[^1]。これはなぜでしょうか。一応高校までの勉強には大学受験という目的があります。でも少子化で大学が定員割れしている日本では、あまり英語を勉強しなくてもどこかの大学には入れます。それに公立高校の英語の「先生」は必ずしも英会話が得意ではありません。英語で仕事した経験がないので、仕事に使う道具としての英語を教えることができません。これは文科省が英語学習の目的を曖昧にしてきた結果です。今になって高校では英語で英語を教えろと言われても、それができる日本人の「先生」は少ししかいません。英語は中学で文法の基本を教えます。文法の基本とは「語順、時制、仮定法」です。英文法は日本語で教えるのが効果的です。高校でもやはり英文法は日本語で教えます。英語で教えるのは英語表現なので、文科省はどうしたら英語表現を効率よく学べるかを教師に教える必要があります。単にALTを採用すれば良いというものではなく、英語教師の育成からやり直す必要があります。英語が下手な英語教師では生徒は困ります。

^1: http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/special/CO015552/20150423-OYT8T50087.html

2015年4月24日金曜日

3rd Anniversary

英語は教師から座学で学ぶ物ではなく、コーチの助けを得て練習し身に付けるものです。日本語なら母親がコーチとして子供の練習相手を務めます。でも英語ならどうでしょう。誰が練習相手を務めるのでしょうか。英語はスポーツと同じで練習量に比例して上達します。もし人間の練習相手がみつからない場合はスマホを使いましょう。Siriの言語を英語にすると本当に会話の練習になります。アンドロイドならEviです。

2015年4月14日火曜日

3年経ちました

このサイトを立ち上げてから3年です。固定費を減らすため無料のブログ・サービスを使い、日本のドメインを取得してURLに使っています。筆者の本職はソフトウェア・エンジニアです。アメリカでアメリカ企業に勤めているため、毎日英語で暮らしています。英語漬けで生きているので、英語で話す方が簡単と思う事もよくあります。もともと2011年の東日本大震災のあと、自分は日本に対して何ができるだろうか、何がしたいだろうかと考えたのがきっかけです。筆者の得意分野である情報技術(IT)の世界では英語が業界の公用語となっていて、シリコン・バレーには世界中から元気な若者が集まってきます。ここで圧倒的に不利なのが日本です。英語が苦手なため、企業としてアメリカに来ても現地の人を使いこなせません。英語を仕事の道具として使うために必要な練習は簡単です。ところが日本の「先生」は必ずしも英語で仕事した経験があるとは限らず、翻訳技術しか知らないという人が大部分です。翻訳は英語で仕事する上で物の役に立ちません。なぜなら英語で会話する時に、いちいち翻訳していたら間に合わないからです。英語を英語のまま理解し想いを素直に英語で表現するには、とても効果的な練習方法があります。筆者はその方法を広める努力をこれからも続けるつもりです。

2015年4月8日水曜日

BBC ワールド・ニュース

ギリシャに行ってきました。アテネだとテレビの地上波で広告付きでBBC ワールド・ニュースを視聴できる事が分かり、とてもうらやましいと思いました。日本では東京でも無料で24時間視聴できる英語のニュースがありません。これがあると英語を聴く練習にすごく役立ちます。時事問題を取り上げるので仕事にも応用できます。もちろんケーブル・テレビなら日本でも可能です。ギリシャは観光立国なので英語は小学生から学びます。中学になるとそれにもうひとつ外国語を学びます。最近はイタリア語やドイツ語に加えてロシア語が人気だそうです。